「働く人のこころの健康相談室」 平成26年度の利用状況

2015年7月22日

茨城産業保健総合支援センター(旧 茨城産業保健推進センター)では、2007年12月から、「働く人のこころの健康相談室」を設け、勤労者のメンタルヘルスに関する相談を受け付けてまいりました。
このたび、平成26年度の利用状況を、下記のとおり取りまとめましたので、お知らせいたします。

平成26年度「働く人のこころの健康相談室」の利用状況

1.相談期間 平成26年4月11日~平成27年3月20日

26年度 25年度 24年度 23年度 22年度
2.相談日数 45日 41日 75日 65日 38日
3.延人数 63名 64名 102名 123名 71名
3.実人数 53名 54名 83名 99名 44名
4.件数推移 131件 176件 315件 373件 228件

 

5-1.相談結果
年代別:40代・30代、50代の働き盛りがほぼ同じ・非常に多く、この3世代で83%を占めた。
厳しい職場環境の中、上司が不調者対応・復職対応に悩む・労働者もどう対応すればの相談が圧倒的に増加してきた。
男女別: 男:女=57:43(25年度・24年度=6:4 ・ 23年度=7:3)前年同様、遠距離の相談が増えた。
相談内容:①職場の問題 ②メンタル疾患 ③家庭の事の順に多かった。

  1. 職場問題:①仕事負担・不適応 ②人間関係 ③メンタル疾患で仕事負担・対応法が多かった。
  2. メンタル疾患:対応困難事例が増加、①上司が不調者の対応相談や復職中・復職前後の対処方法の相談、②本人相談は、復職を巡り職場と紛糾・現状打開対応など困難な相談が増えた。
  3. 女性は職場問題に加え家庭問題や生活問題も多く、複数の問題を抱えて大変な人が多かった。
  4. 月別:6月・12月が少なかったが、他の月の相談者数は5~8人・同程度の相談人数だった。
    メンタル問題:職場の問題+個人の性格関与の傾向が増加し相談対応が難しくなっている。

5-2.相談の対応
複数重複事例・原則2回で切ると問題発生リスクの高い相談者対応では、原則2回で収まらず3回継続、傾聴・現状把握と問題の明確化・整理して納得後、リファー迄の支援をした。
傾聴しつつ、現状が少しでも軽減する方法・対処法を一緒に考え、出来る事を探した。
重症例は、主治医了解後に変動する気持ち理解・自己状況把握と対処ができるように配慮した。
状態改善のために、受診勧奨、生活リズム(睡眠・生活習慣)の改善、自己理解への支援をした。
上司の相談事例では、双方の面談をして職場の対応の支援をした事例もあった。

5-3.相談者の反応
話を聴く事で、下記の感想が聞かれた。
①「誰にも言えなかった事を話せて落ち着けた。良かった」
②「今の状況・気持ち、問題点が理解できた」 ③「問題点が明確になった」 「問題の整理ができ少しスッキリできた」
④困難事例は、対応明確化の支援「産業医と主治医連携、対処法の意見聴取・指導など」をした。
事例によっては、休業から復職トライ・転職トライ(適職探し)への支援をし、準備行動に移せた。

6.カウンセラーとして提案したいこと
心の健康対策は、早期発見で悪化防止、休業者には適切な支援で職場復帰の手助けが望ましい。
①発生防止:全員が知識を持ち「自発的相談が可能な職場風土作り」をする事が望ましい。
②休業者は、主治医と相談し「リワーク支援センターやデイケア等」時期に応じた適切な対処をして復職しやすい状況をつくり、上手に復職できる努力をすることで再発要望をする事が望ましい。
復職後6カ月は不調の波がある。1年くらいは再発・悪化させないために外見の判断に頼らず、周囲の人が、対話で確認し適切な対応ができるように知識を持ち、理解と配慮・支援が望ましい。
組織の発展・損失やリスク低減には、「全員が知識を持ち早期発見・早期対応で不調者を出さない」ことが望ましい形と考えられる。研修などで知識の共有化・早めの相談をされたい。

◆平成26年度の相談状況

延相談人数・男女別

延相談人数・男女別

月別延相談人数

月別延相談人数

延相談件数_年代・男女別

延相談件数_年代・男女別

延相談内訳

延相談内訳

男性・延相談内訳

男性・延相談内訳

女性・延相談内訳

女性・延相談内訳

 

※1 相談時間は、概ね1時間程度以内としている。
また、相談方法は面談又は電話。費用は無料(通話代は相談者負担)。