「働く人のこころの健康相談室」利用状況 2008年4月~9月
2008年10月30日
茨城産業保健推進センターでは、昨年12月から、毎月2日(毎月第2・第4月曜日、ただし祝日・年末年始等を除く)、「働く人のこころの健康相談室」を設け、勤労者のメンタルヘルスに関する相談を受け付けてまいりました。
このたび、2008年4月から9月までの利用状況を、下記のとおり取りまとめましたので、お知らせいたします。
「働く人のこころの健康相談室」の利用状況
- 相談期間 2008年4月~9月
(開催日は、毎月第2・第4月曜日 午後3時~午後6時 祭日除く) - 相談日数 11日 (のべ)
- 相談者数 28名 (のべ) 1日平均 2.5人 ※1
- 相談状況
- 相談結果 ※2
- 年代別では、30才代が6割を占め、40・50才代がほぼ同数だった。
- 男女別では、男:女=6:4であった。
- 勤労者本人が8割。上司や親からの休職や対処法の相談も2割程度あった。
- 面接件数が増加した(前回 ※3 のまとめでは、1日平均2.0人)
- 男性・女性共に、職場の問題とうつ病などメンタル疾患の相談割合が多かった。
- 職場の問題では、①人間関係 ②仕事内容・量の負担についてが多かった。
- うつ病などメンタル疾患では、①復職に関する問題が多かった。
- 女性は職場の問題に加え、生き方や家庭問題についての相談も多く、1人で複数の問題を抱えている人が多かった。
- 深刻な事例、相談に来なければ危険な状況を生む可能性のあると予測される事例(自殺念慮)も見られた。
- 相談への対応方法
- 傾聴により、今の状況・気持ち、問題点の明確化と整理を心がけている。
- 話しを聴きながら、現状が少しでも楽になれる方法を一緒に考え、出来る事を探していく。
- 楽になる方法・出来る事について宿題を出し、自己の状況把握と対処できるように配慮する。
- 睡眠や生活習慣を良くする事で、体調改善をしてより良い状態へ移行できるように配慮する。
- 労働問題など複雑な事案については、他の相談員とも連携を取りつつ、必要に応じ複数回の面接を行う。
- 相談者の反応
- 話を聴く事で、「誰にも言えなかった事を話せて良かった」・「今の状況・気持ち、問題点が理解できた」、「問題点が明確になった」、「整理ができ少しスッキリできた」などの感想が聞かれた。
- どの程度気持ちが楽になったか(スケーリング)で、70~80%軽減されると答えた相談者が多かった。
- うつによる休業から復職へ向けて、徐々に準備ができるようになってきた相談者がいた。
- 休業中の相談者が、服薬など主治医の意見をきちんと守れるようになった。
- 相談結果 ※2
- 問題点(カウンセラーとして訴えたいこと、気づいたこと
- 経済的弱者、認知の歪みがメンタル問題に大きく関与する傾向を実感し、相談窓口の必要性を痛感した。
- うつ病の休業中の過ごし方やリハビリの仕方が本人任せで、専門家によるフォロー・サポートがないことが多く、結果的に職場復帰が遅れやすくなる傾向にあった。
- 必要と判断した方については、複数回の相談を実施してみたが、休業中の適切な支援は、早期職場復帰への手助けになると思えた。
メンタルヘルス研修等により、従業員がメンタルヘルスの不調に早く気付き、気軽に相談して、上手に問題に対処できるよう支援することが重要であると感じた。
また、休業中の従業員に対する相談対応の必要性も痛感した。
そのような中、無料で気軽に相談でき、その人なりの適切な対処法で早く苦しみから脱出できるよう支援したり、その人らしく有意義な人生を送れるよう支援したりすること、また早く職場復帰が出来るよう支援する当該相談室の役割は大きいと感じた。
また、本人以外の上司・両親など周囲の人が不調に気付き、同伴での相談も増えているが、このことは大変よい傾向であると思う。
相談内訳(男女別、年代別、相談内容別)※4
職場の 問題 |
キャリア カウンセ リング |
自分の こと |
心身の 病気 |
家庭の 問題 |
生活 全般 |
その他 | 件数 | 相談 者数 |
|
10代 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
20代 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
30代 | 13 | 1 | 8 | 14 | 2 | 0 | 0 | 38 | 17 |
40代 | 4 | 2 | 2 | 0 | 5 | 0 | 0 | 13 | 6 |
50代 | 2 | 1 | 2 | 3 | 2 | 0 | 0 | 10 | 4 |
60代 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 |
計 | 20 | 4 | 12 | 18 | 9 | 0 | 0 | 63 | 28 |
※1 相談時間は、概ね1時間程度以内としている。
※2 相談方法は面談又は電話。費用は無料(通話代は相談者負担)。
※3 07年12月~08年3月
※4 平均すると2.3件/人の問題を抱えていることになる。