茨城産業保健推進センターでは、2007年12月から、毎月2日（毎月第2・第4月曜日、ただし祝日・年末年始等を除く)、「働く人のこころの健康相談室」を設け、勤労者のメンタルヘルスに関する相談を受け付けてまいりました。
このたび、2009年10月～2010年3月までの利用状況を、下記のとおり取りまとめましたので、お知らせいたします。

「働く人のこころの健康相談室」の利用状況

1. 相談期間　　2009年　10月1日　～　2010年　3月31日
2. 相談日数　　18日（54人枠）
3. 相談者数　　延34名　105件（実人数18名） ※1
   

   21年/上期	28名67件（実人数17名）	20年/上期	28名63件（実人数22名）
   21年/下期	34名105件（実人数18名）	20年/下期	32名97件（実人数18名）

4. 相談内容
   1. 相談結果 ※2
      1. 年代別：３０代・４０代・５０代の順に多く、３０・４０代で８割（30代-63％、40代-19％）を占めていた。
      2. 男女別: 男：女＝2：8（前期＝4：6）、面接：電話＝3：7で、遠距離からの電話相談が多かった。
      3. 相談内容：
         • 男性は、①職場の問題　②メンタル疾患　③自分の事の順だが、職場の問題が５割を占めていた。
           女性は、①自分の事　②職場の問題　③メンタル疾患　④生活全般・家庭の問題の順だった。
         • 職場の問題では、①人間関係　②仕事の負担　③労働条件についての順に多かった。
         • メンタル疾患では、①復職前・後の問題で上司・親が対応の相談、本人自身の相談も多かった。
         • 女性は、メンタル疾患・不調を自分自身や家族が抱えるなど、家庭問題や生活全般の問題が多く、１人で複数の問題を抱えて困っている人が多かった。
   2. 相談の対応
      1. 継続せざるを得ない面接が多く、傾聴で今の状況・気持ち、問題の明確化・整理・支援を心がけた。
      2. 話を聴きながら、現状が少しでも楽になれる方法を一緒に考え、出来る事を探していった。
      3. 重症事例が多くなり、変動する気持ちを受容しつつ自己の状況把握と対処ができるように配慮した。
      4. 良い状態へ改善するために、生活リズム（睡眠・生活習慣）を良くし体調改善ができるよう配慮した。
      5. 深刻事例・病状不安定者には、治療・服薬の継続を確認しつつ複数回の面接・電話相談を行った。
      6. 事例（相談者の事情）によっては、復職支援、復職後の変動する不安定状態のサポートをした。
      7. 研修依頼先には、個人・職場構成員の役割や対応の知識教育で早期発見・予防対策の支援をした。
   3. 相談者の反応
      1. 話を聴く事で、下記の感想が聞かれた。
         ①「誰にも言えなかった事を話せて良かった」
         ②「今の状況・気持ち、問題点が理解できた」「問題点が明確になった」
         ③「問題点が明確になり、整理や自己理解ができ少しスッキリできた」
         ④企業の困惑事例には、「現在状況への対応が明確（受診・対応支援、経過観察）になった」
      2. 休業から、復職トライ・転職（適職探し支援）トライする気になり、行動に移せた事例もあった。
5. カウンセラーとして訴えたいこと
   1. メンタル疾患の休業中の過ごし方やリハビリの仕方は、本人任せでフォロー・サポート者がいないと
      休業中を適切に過ごせず職場復帰が遅れやすい。
      休業中の適切な支援は、職場復帰への手助けになると思えるので相談機関の利用推進をされたい。
   2. メンタル疾患は、復職後も感情・行動の波がある。復職後も自殺念慮の支援に関わる事も多かった。
      メンタル疾患者が発生した職場対応の大変さが伺えた。抱え込まずに相談機関を利用されたい。
   3. 上記状況から、軽症で済ます・予防する事が効果的である。職場で予防知識の共有、早期発見・対処するためにも、メンタルヘルス研修の実施により、全体が知識・認識を持ち対処出来ることが望ましい。

• 今期も、地域産業保健推進センター経由で連携・対処した事例も多く、各センターの活動が身近に感じ
  られた。連携により、事例相談・対処法支援、休業中の相談対応をすることができた。
  今後も気軽に相談してもらい、個々に合う対処法の支援をして、早く苦しみから脱出し職場復帰の支援
  をして、その人らしく有意義な人生を送れるように支援の努力をしていきたいと感じている。

 

 

	職場の 問題	キャリア カウンセリング	自分の こと	メンタル	家庭の 問題	生活全般	件数計	延人数	実人数
男	12	0	3	7	2	0	24	9	9
女	19	1	26	13	10	12	81	25	9
計	31	1	29	20	12	12	105	34	18

 

男性　相談内訳の推移（延べ)

年/期	職場の 問題	キャリア カウンセリング	自分の こと	メンタル	家庭の 問題	生活全般	件数計
20年/上期	12	2	5	11	1	0	31
20年/下期	11	7	15	6	4	0	43
21年/上期	11	0	5	8	0	2	26
21年/下期	12	0	3	7	2	0	24

 

女性　相談内訳の推移（延べ)

年/期	職場の 問題	キャリア カウンセリング	自分の こと	メンタル	家庭の 問題	生活全般	件数計
20年/上期	8	2	7	7	8	0	32
20年/下期	23	3	12	10	7	0	55
21年/上期	8	0	4	14	8	7	41
21年/下期	19	1	26	13	10	12	81

※1　相談時間は、概ね1時間程度以内としている。
※2　相談方法は面談又は電話。費用は無料(通話代は相談者負担)。
※3　平均すると一人3.1件の問題を抱えていることになる。